研究チーム

本研究は、2016年より京都大学大学院医学研究科 健康増進・行動学教室で準備をはじめ、小規模の人数のアトピー性皮膚炎患者さんに協力していただき予備試験を2018年に終えました。

患者さんのクオリティ・オブ・ライフ(生活・人生の質)向上につながる治療への貢献を目指し、エビデンスの質の高いランダム化比較試験を行なっています。アトピー性皮膚炎をもつ患者さんやご家族、アトピーや臨床研究、マインドフルネスを専門にする大学教員、医師、臨床心理士によるチームが実施しています。

健康増進・行動学教室では、世界の臨床を変える質のいいエビデンスを作るランダム化比較試験やメタ解析などを中心に実証的な研究を行っています。

 

 

古川壽亮 教授(医師・研究統括)

京都大学大学院医学研究科 健康増進・行動学分野

「マインドフルネスの効果について、しっかりとしたエビデンスを作ることが非常に重要だと考えています。
皆様のご協力に感謝しております。」

渡辺範雄 客員研究員(医師)

京都大学大学院医学研究科 精神科神経科教室

「私もアトピーですが、心身両面からのアプローチが重要と感じています。ぜひこの機会に、研究にご協力ください。」

岸本早苗 客員研究員(臨床心理士/公認心理師)

京都大学大学院医学研究科 健康増進・行動学分野

 

山本洋介 教授(医師)

京都大学大学院医学研究科 医療疫学分野/皮膚科学

 

清水良輔(医師)

ひふ科しみずクリニック院長
著書「原因を探らずに治すアトピー

 

船田哲 博士課程(医師)

京都大学大学院医学研究科 健康増進・行動学分野

 

今井匠 特定研究員

京都大学大学院医学研究科 臨床統計学講座

 

相田麗 特定研究員

京都大学大学院医学研究科 臨床統計学講座

 

患者・家族アドバイザー

患者さん・ご家族の視点から、7名の方に本研究への助言をいただいています。

質の高いチーム医療を行なう上で、患者さん本人の視点は必要不可欠です。

医療機関で行う臨床、教育、管理、研究のそれぞれの場面に患者さんやご家族の経験のある方にアドバイザーとして入っていただく取り組みが徐々に進められています。米国マサチューセッツ州では全ての病院に患者・家族アドバイザリーカウンシル (Patient Family Advisory Council: PFAC)を設置することが2008年から義務づけられました。

本研究においても、患者さん本人にとって意味のある臨床研究となるよう、2018年に行なわれた予備試験にご参加協力いただいた方々にアドバイザーになっていただいています。

予備試験後、本研究では患者さんの視点で必要としている治療の内容や、患者さんご本人にとって本当に意味のある治療評価項目などをアドバイザーの皆さんと議論し、その声を反映して臨床研究の計画を練り直しました。研究全体を通じて協働をしています。PFACの設置・運用については、ハーバード大学の病院でPFACを共同創設し、患者家族中心チームケアの文化を育ていらっしゃる Martie Carnieさんにご助言をいただいています。

マインドフルネス講師

本研究チームの岸本早苗(臨床心理士・公認心理師)が担当します。

自身もアトピーの経験があり、京大医学研究科 健康増進・行動学分野の博士課程在籍時に本研究に着手しました。本研究では、マインドフルネス(気づき)とセルフ・コンパッション(自分への思いやり)の両要素を統合し、アトピーでお困りの方に役立つ内容へと独自に開発したものを、ご自宅から参加できる遠隔オンラインの形式で、臨床研究として提供しています。

岸本早苗(写真左) 古川壽亮 (写真右)

岸本は、ハーバード大学医学部/マサチューセッツ総合病院の産婦人科専任の医療の質管理者として勤務中に、瞑想&心理療法のインスティチュート The Institute for Meditation and Psychotherapy(ハーバード大学医学部精神科教室の臨床心理学者らが創立した機関 IMP)にてトレーニングを受け始め、日本人で初めてマインドフルネス&心理療法認定プログラムを修了。IMPの恩師、クリストファー・ガーマー博士(ハーバード大学医学部精神科教室)には本研究へのご助言をいただいています。

帰国後、京都大学など教育機関や医療機関、英国大使館など政府機関等でマインドフルネスやセルフ・コンパッションのプログラムを教え、京大ではマインドフルネス&セルフ・コンパッション研究会を京大の教員(精神科医、看護師)らとともに立ち上げています。